Game Senseを用いて中盤での効果的なアタックを実現する

Game Senseを用いて中盤での効果的なアタックを実現する

こんにちは。

バイタルストレングスの藤野です。

前回はGame Senseの一般的な内容について、ニュージーランドラグビー協会で紹介されているものをブログで投稿致しました。

 

※前回の投稿:「ゲームセンスをチームに導入するために」

http://vital-strength.com/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9%EF%BC%88game-sense%EF%BC%89%E3%82%92%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AB%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB/

 

今回からは、さらにラグビーに特化した内容で、ニュージーランドラグビー協会に推奨されているものをご紹介させて頂ければと思います。

 

Step1: Play a Game.(ゲームをする)

アタック(7名)とディフェンス(8名)の2チームを用意します。

もし選手が偶数であるならば、アタック側に入れます。

 

プレーエリアは横幅を15mラインの内側、縦幅を22mラインからトライラインの間とします。アタック側はボールキャリアがディフェンスにコンタクトされずに真ん中を通ることを要求されます。ディフェンス側はボールキャリアに接触することを目的とします。

 

もし、ボールキャリアがタックルされた場合、そこからまたリスタートします。

ゲームは、スクラムもしくはラックに6名の選手を割き開始します。

残りの選手は、ハーフバックと一緒にスクラムもしくはラックエリアに立ちます。

 

それぞれのチームは2つのバリエーションをコーチから与えられ、選択したバリエーションでゲームを開始します。

バリエーションⅠ:ディフェンスは自分のチャンネルに来た場合のみタックル可能とする。

バリエーションⅡ:ディフェンスは広がり、アタックを仕掛けて欲しい場所にスペースを空ける開始する。

 

Step2: Tactical Feedback(戦術的なフィードバック)

 

選手たちと先ほどのゲームで何をみたのか、そしてもっと良くする為には何ができるかディスカッションを行います。

 

コーチは以下のような質問を行うと良いでしょう。

『チームメイトは、ボールキャリアがディフェンスを突破するために何をしなければならない?』

・選手のペース

・ボールをレシーブする前もしくは後のアングルを変える

・敵のディフェンスをみる

・ボールを両方の手で持つ

 

『突破するためのスペースをつくるために、他の選手は何ができるか?』

・ボールを呼ぶ

・ディフェンスに向かって走る

・走るときのタイミング

 

『ボールキャリアは、スペースを突破することを確実にするためにどのようなことが可能か?』

・可能な限りラック(ブレイクダウン)から離れる

・ディフェンスの目から離れるためにスペースを使う

・走るタイミングをちょうど良くすることでパスを受けてすぐに加速、もしくは方向を変えることができるようにしておく

 

基本的にアタック側は、ディフェンス側を混乱させるために一度に多くの解決しなければならない課題を与えておく必要があります。そのためにアタック側の選手は多くの役割が必要となります。

 

更にいくつかのシナリオをおこなった後、2つか、3つのパターンを決めてゲームの中で練習します。ここが意思決定判断が重要になってくる場面であり、ディフェンス側の手がかりをもとに意思決定をもとにプレーを選択することで選手たちが成長していきます。

 

Step3: Skills Feedback(スキルのフィードバック)

 

プレーを成功させるためには、個人やユニットとしてのスキルを練習する必要があります。

 

選手に誰がどんなスキルを練習する必要があるか問いかけると良いでしょう。

 

これには以下のようなものも含まれます:アタックラインの間隔を保ち、ディフェンスラインがシャロー(前に出てくる)ディフェンスかドリフト(流しの)ディフェンスかに応じてタックルラインがどこにあるのかを理解する。ボールキャリアとペネトレイターは両方とも重要な場面で正確に役割を果たすために、スペースと時間が必要である。

 

アタック側は、アタックラインのさまざまな深さや間隔を考慮しておく必要がありますが、最終的には同じ結果である必要があります。

 

ボールを持っていないときに、選手はどのようにトイ面のディフェンスを引きつけるのか、例えばディフェンスの視界から出たり入ったりする、ボールを呼ぶ、手を挙げる、ペースを変えるなど。

 

どのように意思決定者はスペースをつくるのか、ボールを受け取る前に動く、まっすぐ走る、ステップをきることでペースを変える、突然のステップやボールの動きで敵の目を欺く、ボールをフラットに投げるのか、下げるのかなど。

 

このようなスキルの練習は3vs3の状況で獲得可能でしょう。

 

ここで簡単な例を示します。

 

A:普通のバックラインフォーメーション

10番と12番が45度に横に走る。13番が中にカットインし、10番のおとりになる。10番が12番にパスを出すが、遅れて10番と12番の間に走ってくる15番にポップパスをする。ブラインドサイトのウィングが後ろで15番のサポートをし、オープンサイドのウィングが15番の外で連携する。12番が外を取り囲む。

 

B:Aと同じセットアップ

今度は10番が早めに入ってくる15番にパスをし、12番がアタックラインの間隔を保って走る。12番がブラインドサイドのウィングとオープンサイドのウィングを自分の外側につける。15番が外側をケアする。

 

もちろん選手たちはメインとなる疑問に答えられるようになる必要があります

『ペネトレイトしたいときに必ずスペースがあるようにするために、それぞれの選手はなにを行う必要があるか?』

 

このようにゲームを行い、選手とディスカッションを通して気づきを促すことで、より効果的な学習を行うことが可能なのがGame Senseです。

 

選手との対話から学習を促すためコーチと選手の関係性も向上しチームとしてより良い活動ができるのではないでしょうか。

2016年07月11日