コーチ育成者の役割
こんにちは、バイタルストレングスの藤野です。
前回は、コーチングディベロップメントの概要について、ブログを書かせてもらいました。
今回からは、より内容を詳細に、現在分かっていることについて触れていきたいと思います。
前回のブログでは、コーチが学習することが大切であると述べましたが、はたして一人で学習することは効率が良いと言えるのでしょうか。
コーチング現場とは常に混沌としており、適宜状況判断が求められる複雑な環境であると言えます。
そのような中で、誰かに相談したい、話を聞いて欲しいと思ったコーチは少なくないはずです。
実際に、海外のコーチにおいては、他者から得られる知識が大変有用であると認識している場合がほとんどのようです(Occhino et al., 2013)。
しかしながら、トップレベルになればなるほど、その競合性から他者へと相談することが難しくなるのも事実でしょう。
ほとんどのコーチが、現在自分がかかえている現場に関して相談したいにも関わらず、相談相手が対戦チームのコーチであったり、その情報が他者へともれる危険性を危惧し、話せない状況になっているのが事実です(Occhino et al., 2013)。
他者からの学習が、自身の成長に効果的である一方で、他者との関わりが制限される現状を打開する一つの策として、コーチ育成者が存在します。
コーチ育成者とは、コーチの成長をサポートする役割を担っており、近年諸外国において、その存在が注目されつつあります。
ICCEにおいては、コーチ育成者の必要性を唱え、その活動を推進するような動きがみえます。
※International Council for Coaching Excellence (国際コーチングエクセレンス評議会)のことです。コーチを職業として国際的に認知させていくことを目的とした非営利団体組織で、英国リーズに本部があります。
ICCEにおけるコーチ育成者のスタンダードとして、以下のものがあげられています。
- コーチングにおけるエキスパートである。
- 選手の発達過程に熟知している。
- スポーツ科学、スポーツ医学、教授法について熟知している。
上記のような知識を持ちつつ、現場で指導しているコーチに、アドバイスを与えるような職業の人をコーチ育成者と呼びます。
コーチ育成者のような他のコーチを育成している人と、関係を築き、問題点を相談することで、現在自分が抱えているストレスの解消や、より良い改善の一助となることが多いようです。
コーチとして活動していくなかで、自身の学習を促進していくことの重要性は前回のブログに記載した通りですが、その方法のひとつとしてコーチ育成者を頼るのは良い方法であると言えるでしょう。
現在の日本において、そのような存在を見つけるのは非常に困難であるといえるでしょうが、積極的に他者と関係性を築くことで、そのような人物に出会えることがあるでしょう。
実際にトップレベルコーチにおいて、会社の同僚や他業種で活躍している人が、そのような存在になる場合があると報告されています(Occhino et al., 2013)。
今後のブログでは、コーチがどのような学習を経て、トップレベルのコーチへと成長してくのか、またその中でコーチ育成者がどのような手立てを通してコーチを導くのかを記載していきたいと思います。
今後とも、ブログをご一読頂ければと思います。
よろしくお願い致します。
藤野