コーチング・デベロップメント(コート育成)

コーチング・デベロップメント(コート育成)

みなさんこんにちは。

バイタルストレングスの藤野です。

今回はコーチ育成(Coach Development)についてブログを書かせていただきたいと思います。

コーチ育成とは、近年になり注目され始めた分野であり、この分野に関する研究も盛んに行われるようになりました。

そもそもコーチは、選手に大きな影響を与えることが明らかになっています。例えば、誤ったコーチの行動は選手の動機の低下、競技からのドロップアウト、そしてバーンアウントを招く可能性を有していると言われています。一方で、優れたコーチは選手の有能感、自信、関係性、そして性格を向上させ、選手の優れたパフォーマンス発揮を手助けすることも明らかになりました。

これらを踏まえると、コーチは効果的に選手をサポートするために学習者として学び続ける責任があると言えます。

 

コーチの学習機会

コーチの資質向上を考える組織International Council for Coaching Excellence (ICCE)より、国際スポーツコーチング枠組みとしてコーチの学習機会について触れられています。そこでは、コーチの学習機会を指導的学習(Mediated Learning)と自主的学習(Unmediated Learning)に分けました。さらに指導的学習には、制度化された教育システム内での教育活動であり高校や大学教育を指すFormal学習と、ある目的を持って組織される学校教育システム外の教育活動であり、セミナーやカンファレンス、メンター制度などを指すNon-Formal学習が含まれます。自主的学習には日常の経験に基づく、組織的ではない生涯にわたる教育であるInformal学習が含まれます。

 

図1, ICCEにより提唱されているコーチの学習機会

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一般的にコーチの発達はコーチング現場の仕事を通して起こる内省や学習によってなされるため、コーチの学びは自主的学習の方が、より大きな効果を担っていると言われています。

コーチは、これらFormal学習、Non-Formal学習、そしてInformal学習を組み合わせ継続的に学習していくことが必要とされています。

 

コーチ育成者の必要性

Formal学習、Non-Formal学習、そしてInformal学習を効率よく組み合わせて学習することが重要であると述べましたが、より効果的にコーチが学習するためには、それだけではなく意図的内省が必要であるということが近年の研究によって述べられています。

内省とは本来、コーチ自身で行われるものですが、意図的内省を実施するためには、他者の助言やディスカッションが重要になります。つまり、他者が介入しサポートすることで、内省の効果を最大限に引き出す必要があるのです。

また、コーチの役割は継続して学習していくだけではありません。

コーチは初心者や熟練者など、さまざまなレベルの選手を指導する必要があります。さらに、ただ戦術面や技術面を指導するだけでなく身体的、精神的、そして社会的側面の指導が求められる場合がほとんどです。

これらを踏まえると、コーチが一人で学習していくのは非常に困難であると言えるでしょう。そこで、コーチ育成者のサポートを受け、効率よく学習していくことが必要とされます。

 

ICCEにより、コーチ育成者のフレームワークが以下の章に分け紹介されています。

⒈ コーチ育成者の役割

⒉ コーチの学習の手助け

⒊ コーチ育成者の発達

⒋ コーチ育成者に求められる能力

⒌ コーチ発達のシステム

 

今後はこれらの点について毎週、コーチ発達を踏まえながらブログにて紹介させていただければと思います。

 

S&Cコーチも選手に関わるコーチであり、監督やアシスタントコーチと関わる機会が多くあると思います。コーチの発達過程や学習に何が求められているのか、他国ではどのようにコーチ育成者がコーチと関わり成長を促しているのかを知ることは、コーチとしてのスキルを発達させる良い機会になるのではないかと思います。

今後のブログも、ご一読のほどよろしくお願い致します。

藤野

2016年10月25日