ゲームセンス(Game Sense)をチームに導入するために
こんにちは。
バイタルストレングスの藤野です。
今回は以前、ご紹介させて頂いた教授法のひとつであるGame Senseがニュージーランドのラグビー協会で紹介されていたので、その内容についてご紹介させて頂ければと思います。
※以前のブログはこちら↓↓↓
①ゲームセンス(Game Sense)sについて
http://vital-strength.com/game-sense%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9%EF%BC%89/
②ゲームライクな練習
コーチが主体となって選手に何をするべきか、どのようにするべきかを伝えるという教授法の方が、選手に意思決定を持たせる教授法よりも一般的であるかと思います。
しかしながら、選手が主体となって自ら"何をどのように実行するか"学ぶような環境を構築する教授法(Game Sense)は、選手のやる気を促すだけでなく高い学習効果を得る事ができます。ここでは一般的なGame Senseの実行手順を紹介したいと思います。
STEP1:ゲームを実行する
選手はゲームの目的とコーチが設定した課題を明確に理解しており、その課題を自分たち自身で解決する必要があります。これらを達成することで、コミュニケーションスキル、リーダーシップ、そしてチームワークの発達が期待できます。これらのスキルは一般的にコーチ主体のコーチングでは軽視されがちです。
STEP2:戦術的なフィードバック
コーチはゲームを観察し、適切なタイミングでゲームを止め選手を集める必要があります。そこで適切な発問を行い、ディスカッションの中で選手自らが課題に対する解決法を発見することで長期的な学習を促す必要があります。
STEP3:スキルフィードバック
ゲームを続けていくなかで、適切なタイミングでディスカッションを行い、戦術とスキル両方のフィードバックを行う必要があります。
▶︎このような練習の利点
練習が楽しくなる
選手とコーチの間にポジティブな関係性がうまれる
戦術的な気づきを促進する
チームの一員であることを促す
選手のチーム内ルールに対する理解を促す
自己認識を高める
このような教授法の中で鍵となるのは、どのようなゲームを作成するかということです。
これを達成するうえで重要なのはどのような戦術的側面に着目するかということです。
よりよいゲームを作成するために以下の点を考慮すると良い
・ゲームの中でどのような戦術とスキルを発展させたいのか
・その戦術とスキルを発達させるためにどのような制限を設けることができるか
・選手が課題を解決するにあたって、なにが問題に成り得るか
・ルールは安全なものか
・あなたが尋ねる鍵となる質問はなにか
・どのようなプログレッションが可能か
→複雑さを増すのか/リスクを変更するのか/プレッシャーを増やすのか
作成したゲームに対し以下の点に制限を設けると良い
・プレイするエリアの大きさ
・点数が入る場所を変える
・パスが許される回数
・オフェンスとディフェンスの人数
・リスク-インターセプトやボールを落としたら減点とする
・時間-どれくらいの時間のゲームなのか
・各選手における特定の役割
上記のような点に留意して制限付きのゲームを作成し、可能な限り邪魔をしないようにする方が良いでしょう。そうすることで選手がゲームに集中することができ、コーチも選手を観察することができます。
ゲームをする際には、コーチがそのゲームから求めている成果を選手たちに確認する必要があります。
ゲームを実行する際には質問をする必要がある
・欺く:「どうやって敵を向こうに行かせることができる?」
・リスク:「今のはロングパスというリスクを選択する場面だった?」
・時間:「どうやったらもっと時間を作れた?」
・スペース:「どこにスペースがある?」
・ゲームの舞台:「残り2分で2点負けている。ここではどんなプレイを選択する?」
・状況判断:「ここではインターセプトを狙うべき?それとも外の選手のカバーに行くべき?」
・ディフェンスのパターン:「ここでは中に入ってくるべきだった?」
・アタックを小さくする:「どうやってオプションをしぼる?」
・点数:「ここかあっちのどっちでアタックを仕掛けるべき?」
・ボール所有:「なにが最善のオプションだったかな?」
以上がニュージーランドラグビー協会で紹介されているGame Senseを作成するにあたっての注意事項です。すべてのセッションをGame Senseにする必要はありませんが、取り入れてみるのは良いことかもしれません。
ニュージーランドラグビー協会では、今回ご紹介させていただいたものだけでなく、さらにラグビーに特化してGame Senseが紹介されています。
次回以降は、それらをご紹介させて頂きたいと思います。
よろしくお願い致します。
藤野