Velocity Based Training(VBT)について

Velocity Based Training(VBT)について

みなさんこんにちはバイタルストレングスの藤野です。

今回はVelocity Based Training(以下VBT)についてまとめました。

 

 VBTとは

VBTとは、速度を日々のトレーニングのフィードバックの指標として使用するトレーニング方法のことを指します。具体的には、セット中のウエイトの重量を速度によって足すのか減らすか決める手助けにするトレーニング方法のことを指します。

 

一般的なPercent Based Training(PBT)との違い

一般的なトレーニングでは、自分の1 Repetition Max(1RM)を測定し、その数値から目的に合わせて重量のパーセンテージを求め、セット中のウェイト重量を設定するのが一般的だと思います。

表1に示すパーセンテージは様々な場所で引用され、アスリートではないトレーニーの方々も目にされたことがあるかもしれません。

 

<表1,PBTアプローチ>

※図をクリックで拡大しご覧頂けます。

スクリーンショット 2016-03-04 12.05.38

 
このようにPBTではトレーニングの目的に合わせてウェイトの重量を決めますが、VBTでは違ったアプローチを使ってウェイトの重量を設定します。

 

具体的なVBTについて

図1に示したのは、速度と力の関係を表したものです。この図が示すように、速度が上がるほど、力が弱くなり、逆もまた同様です。

例えば、野球のピッチャーのようにボールを投げたとします。ボールは軽い物体ですので、投げるだけであれば大きな力は必要としません。つまりこの図を参考にすると速度はかなり高い値を示しますが、大きな力は発揮されません。逆に、重い重量でスクワットを実施する場合、大きな力は発揮されますが、高い速度は期待することはできません。

また図1にも記載してありますが、各速度域によってトレーニングで得られる質が違います。個人によって得られる質はわずかに違うかもしれませんが、フレームワークとして使用する場合には有効であるかと考えられます。

 

<図1,速度と力の関係>

※図をクリックで拡大しご覧頂けます。

VBT 図1

 

表2に各速度域でのトレーニング方法とその例を示しました。この表と先ほどの図1を参考に考えると、トレーニングの目的が筋肥大である場合、速度域は0.45-0.75/secになります。その速度域で行える重量を用いてセットを行い、疲労によって速度を保てなくなった場合、重量を落とすなどの措置をとる方法でトレーニングを行います。

 

 

<表2,各速度域におけるトレーニングの質とトレーニング方法の例>

※図をクリックで拡大しご覧頂けます。スクリーンショット 2016-03-04 12.05.55

速度の測定方法

近年では、GymAwareなどのバーの速度を測定してくれる機材が発達し、購入することが可能となっております。GymAwareの値段は約20万円ほどです。大きいチームや予算が潤沢に使用できる環境であれば、そこまで大きな出費ではないでしょう。

また、GymAwareなどの機材を用いて、パワーや速度などのフィードバックを毎セット行いながら実施した方が、トレーニングの効果が良いという先行研究も存在しています(Randell et al., 2011)。

 

しかしながら、そのような機材を手に入れることが出来ない環境にいる人はどうしたら良いでしょうか。Gonzalez-Badillo(2010)は100名以上のベンチプレス1RMの速度を各パーセント1RMから記録し、それをまとめています。その結果を表3に示しました。

 

<表3,各パーセント1RMと速度の関係>

※図をクリックで拡大しご覧頂けます。

VBT表3

 

これをまずはフレームワークとして使用し、トレーニングの参考にすると良いかもしれません。

 

トレーニング業界では、さまざまなトレーニングが発達していますが、さまざまなものを実施し、自分に一番合ったトレーニングを実施すると良いかもしれませんね。

 

藤野

2016年03月04日