RPE:主観的運動強度

RPE:主観的運動強度

バイタルストレングススタッフブログ更新です。

 

こんにちは、藤野です。

 

年間を通してトレーニングをプログラムする際に、予め強度を設定しピリオダイゼーションを組むことが大切です。

 

走る量や、拳上回数などのトレーニングボリュームを把握することは比較的簡単に行うことが可能ですが、運動強度を把握することは大変困難です。

 

心拍数により運動強度を把握する方法が一般的ですが、心拍数により運動強度を把握する方法は、心拍数を測定し忘れた場合、強度の測定が不可能な点、ウェイトトレーニングやインターバルトレーニングなどの強度を正確に測ることが出来ない点が挙げられる為、すべてのエクササイズにおいて有効な手段とは言えません。

 

そこで近年はRate of Perceived Exertion(主観的運動強度:RPE)が用いられているようです。

 

RPEとは選手に対して表1の様なスケールを提示し、主観的にどの程度セッション強度であったかを確認する方法です。

 

この方法による信頼性は有酸素運動と無酸素運動、両方において確認されています(Foster et al., 2001; Meghan et al., 2004)。

 

セッション後に求めたRPEは、セッションの長さと掛け、運動強度が求められます。

時間×RPE=運動強度

 

例えば、セッション後のRPEが5のHardで、運動時間が30分である場合、運動強度は150となります。

 

これらを週ごとに記録しておくことで、表2のようなチャートが求められます。

 

またこれら数値を下記の様に、グラフ化することでコーチや選手にとっても運動強度がどの様に変化していったのか分かりやすくまとめることも可能です。図1

 

実際にInternational Rugby Board(IRB)では、このRPEを用いてピリオダイゼーションが組まれ、ストレングス&コンディショニングが実施されているようです。

 

IRBではRPEスケールは10段階ではなく20段階で実施されているようですが、運動強度を求める方法(時間×RPE)は同様で実施されているようです。

 

Rate of Perceived Exertion Scale
Rating Descriptor
6  
Very, very light
8  
9 Very light
10  
11 Fairly light
12  
13 Somewhat hard
14  
15 Hard
16  
17 Very hard
18  
19 Very, very hard
20  

 

RPEを用いて運動強度を把握する方法は、心拍計など必要がなくRPEスケールがあれば容易に実施可能であることから、大変効果的な手段であると思われます。

また選手自身やコーチが運動強度を把握する方法としても有効ではないでしょうか。

 

References

BANISTER, E.W., T.W. CLAVERT, M.V. SAVAGE, AND T. BACH. A systems model of training for athletic performance. Aust. J. Sports Med. 7:57–61. 1975.

 

DAY, L. M., McGUIGAN, R. M., BRICE, G., AND C. FOSTER. Monitoring exercise intensity during resistance training using the session RPE scale. J. Strength Cond. Res. 18(2):353–358. 2004.

 

FOSTER, C., J.A. FLORHAUG, J. FRANKLIN, L. GOTTSCHALL, L. HROVATIN, S. PARKER, P. DOLESHAL, AND C. DODGE. A new approach to monitoring exercise testing. J. Strength Cond. Res. 15(1):109–115. 2001.

 

IRB Strength and Conditioning. http://www.irbsandc.com/.

2012年08月28日