正しいエクササイズテクニックの習得

正しいエクササイズテクニックの習得

こんにちは藤野です。

 

筋力向上やクオリティーオブライフ向上の為、トレーニングを続けることは効果的な手段ではありますが、間違ったテクニックのままトレーニングを続けると怪我に繋がったり、誤ったテクニックの向上に繋がり期待する効果が得られないことがあります(Harman, 1994)。

 

この様な誤ったテクニックにはどの様なものがあるのか、DwningとLander(2002)の文献に記されています。

 

今回はその中から、いくつかの主要なエクササイズを紹介したいと思います。

 

 

l  ベンチプレス(Figure1)

 

ベンチプレスにおける主動筋は、大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋です。

 

l  ベンチプレスにおける誤ったテクニック

 

l  一般的な誤りその1

エキセントリック局面においてバーを胸でバウンドさせて挙上する

 

l  効果

1.  胸骨を骨折する可能性がある

2.  反動をつかって挙上する為、主動筋がうまく刺激されない可能性がある

 

l  修正方法

1.  ゆっくりとコントロールして挙上を行う

2.  挙上するウェイトを下げる

 

 

l  一般的な誤りその2

挙上が左右対称でない

 

l  効果

1.  誤った運動パターンが確立されてしまう可能性がある

2.  左右のバランスが良くない為、これ以上の重量を扱う事ができない

 

l  修正方法

1.  挙上するウェイトを下げる

2.  ビデオに録画することで、視覚的にフィードバックを行う

 

 

l  一般的な誤りその3

腰と首をベンチ台から浮かせる

 

l  効果

1.  腰回りにおける怪我の危険性

2.  首における傷害の危険性

 

l  修正方法

1.  挙上するウェイトを下げる

2.  正しい姿勢(頭、肩、お尻)をつけて挙上する

 

 

l  一般的な誤りその4

手幅が広すぎる

 

l  効果

1.  大胸筋を上手く動員することが出来ない

2.  上腕三頭筋および三角筋前部を上手く使うことが出来ない

3.  スティッキングポイントを上手く克服することが出来ない

 

l  修正方法

1.  肩幅かわずかに広いくらいの手幅で挙上する

2.  バーベルではなくダンベルを用いる

 

 

l  スクワット(Figure2,スクワット正面図)

 

スクワットにおける主動筋は大腿四頭筋、大臀筋、そしてハムストリングです。

 

スクワットを間違ったフォームで行うことは重大な怪我に繋がる恐れがあるとされているため、正しいフォームで行う必要があります。

 

l  スクワットにおける誤ったテクニック

 

l  一般的な誤りその1

腰が過度に曲がっている

 

l  効果

1.  腰部における傷害の危険性の向上

2.  主動筋を上手に鍛えることが出来ない

 

l  修正方法

  1. 顔をあげる
  2. 背中をまっすぐにする
  3. 挙上する重量を下げる
  4. 補助を用いて、適切なテクニックで行う

 

 

l  一般的な誤りその2

ボトムポジションでバウンドする

 

l  効果

1.  膝、および腰部における傷害の危険性の向上

 

l  修正方法

  1. ボトムポジションで一度静止する
  2. ゆっくりと行う

 

 

l  一般的な誤りその3

膝がつま先と同じ方向を向いていない

 

l  効果

1.  膝における傷害の危険性の向上

 

l  修正方法

1.  自重で鏡などを用いて、膝がつま先の上にしっかりと乗るよう確認する

 

 

l  一般的な誤りその4

つま先が過度に内側、外側を向く

 

l  効果

1.  的確な可動域を得ることが出来ない

 

l  修正方法

1.  挙上を開始する前に、つま先が、正面もしくは、やや外側を向いていることを確認する

 

 

l  一般的な誤りその5

動作中に踵が浮く

 

l  効果

1.  バランスが崩れ、怪我に繋がる可能性がある

 

l  修正方法

1.  低重量もしくは自重でフォームを確認する

2.  重心の意識を持たせて挙上を行う

 

 

これら上記のエクササイズは一般的なものですが、特にスクワットは正しいフォームで行うのが大変むずかしいエクササイズの一つです。

 

また正しいフォームで行うことも重要ですが、適切な回数、セット数、動作の速度、可動域なども大変重要になってきます。

 

これらを適切に設定、実施する為にも、特にトレーニング初期はエクササイズを熟知しているトレーナーの方をつけてトレーニングを行うのが良いのではないでしょうか。

 

適切なテクニックで、効果的に、怪我のないようトレーニングを行いたいですね。

 

 

References

 

Downing, J., & Lander, J. E. (2002). Performance errors in weight training and their correction, 73(9), 44-52.

 

Harman, E. (1994). Biomechanical factors in human strength. National Strength and Conditioning Association Journal, 16(2), 48-53..

2012年02月10日