ウェイトリフティングシューズとランニングシューズでのスクワット動作の違い

ウェイトリフティングシューズとランニングシューズでのスクワット動作の違い

村上です。

 

フィットネスクラブでトレーニーを観察していると、服装だけでなくシューズも様々です。

 

ランニングシューズや最近流行の五本指シューズ、バレーシューズ、レスリングシューズなど、

皆さんトレーニングの目的に応じて適したシューズを使っているのでしょう。

 

特に私がトレーニングしているゴールドジムでは、レジスタンストレーニングにハードに取り組まれているトレーニーが多く、彼らの多くはソールが薄くフラットなレスリングシューズを好んで履いているようです。

 

私自身も今ボディビルディングに競技として取り組んでいるので、以前レスリングシューズや五本指シューズを試したのですが特にスクワット、デットリフトといった下半身種目でしっくりいかず、今は逆に踵の高いウェイトリフティングシューズを履いてトレーニングしています。

 

もちろん上半身種目には何にも影響ないのですが、スクワット、デットリフトではウェイトリフティングシューズを履いた方が、自分の納得するフォーム、バランス、深さと、マッスルコントロールで取り組めます。

 

周囲のボディビルダーでウェイトリフティングシューズを履いている方はおらず、最近パワーリフターの選手が履いているのを目にするだけなので、やはり長年スポーツパフォーマンス軸にスクワットしてきた影響かな?と勝手に解釈していたのですが、

 

「ウェイトリフティングシューズを使用した場合のバックスクワット動作の変化」

 

というまさにピンポイントな検証文献を見つけました。

 

その文献によると、

 

バックスクワットを行う際に、ランニングシューズを履いた場合に比べて、

ウェイトリフティングシューズを着用した場合の方が、

 

・足首の角度が3.5°大きくなる。(つま先立ちになる)

・体幹の角度がより垂直に近く保てる。(前傾姿勢を防げる)

・しゃがむ深さには変わりがない。

・膝伸筋群の筋活動が活発になる。

 

という結論でした。

 

つまり、ウェイトリフティングシューズを履いてバックスクワットをすると、

 

①前傾姿勢を防ぎ、腰への負担を減らすことができる。

②膝伸筋群(大腿四頭筋)の強化に効果的になる。

③より深くしゃがむには股関節、足首を中心とした関節可動域、モビリティを高める必要がある。

 

ということが言えるのです。

 

①②については私自身がスクワット時に体感している感覚と一致します。

③については個人的にはウェイトリフティングシューズを履いた場合の方が深くしゃがんめて、かつ股関節に重心を乗せる感覚もよいように感じます。このギャップは、実験で使用した強度が65%1RMで、私が普段使用している強度が85%〜88%1RMと異なる点と、実験手順で被験者は「いつも通りの深さでスクワットする」と指示されたため深くしゃがむ意識をもっていなかったからではないかと思います。

 

いずれにしても、「大腿四頭筋が発達しない」「腰が痛くてスクワットできない」と悩んでいるボディビルダーの方々や、スポーツパフォーマンスのためのストレングストレーニングとしてバックスクワットに取り組んでいる方々は一度試す価値はあるのではないでしょうか?

 

ちょっと値段が高いのが玉にきずですが。。

 

引用文献:

Kimitake Sato,Dave Fortenbaugh,and David S.Hydock

Kinematic Changes using Weightlifting Shoes on Barbell Back Squat

the Journal of Strength and Conditioning Reserch Vol26,No1,January2012:28-33.

2012年02月07日